最近、老化や病気を引き起こす大きな原因として
“糖化”という言葉をよく耳にするようになりました。
そんな“糖化”とは、一体何なのでしょうか?
毎日の食事で、ご飯、パン、ラーメン、そば、うどん、パスタといった
炭水化物を主食として食べているのは、日本人なら当たり前の食生活です。
これらの炭水化物に含まれる糖質は、体内でブドウ糖に分解され、
生命を維持するエネルギーとして利用されるので、
絶対に欠かすことのできない大切な栄養素になります。
しかし、この糖質の摂り方によって、老化のスピードを加速させたり、
病気にかかる可能性が大きくなったりするという問題が発生する場合があります。
人の体は、筋肉、肌、髪、血管など、ほとんどがタンパク質で構成されていますが、
実は、タンパク質は、口から摂取した糖と結びつきやすいという性質があります。
この両者が結合することで起こる反応のことを糖化といいます。
この糖化は、特別に人の体内だけに起こる現象ではありません。
例えば、クッキーやホットケーキなどを焼いたり、魚に醤油をつけて焼いたり、
せんべいを焼いたりする時、食材がこんがりと茶色に変色しますが、
これらは糖化が起こっている状態で、
ホットケーキの砂糖と卵や牛乳に含まれるタンパク質が結合しているということになります。
こうした糖化で問題なのは、AGE(糖化最終生成物)という老化促進物質が発生することです。
AGEが増えると、体内のタンパク質でできたさまざまな組織が変性して、
本来の働きを失ってしまいます。
例えば、血管を構成しているタンパク質は、変性してもろくなり、
血管壁に炎症が起こりやすくなって、動脈硬化を招き、
最悪は心筋梗塞や脳梗塞などの命にかかわる重病につながります。
また、肌内部の真皮という部分に存在するコラーゲンは、肌の弾力性を保っていますが、
このコラーゲンもタンパク質で構成されているので、
糖化が起きれば、硬くなって弾力性を失い、
その結果、肌がたるんだり、シワが増えるなどの老化を加速させることになります。
さらに、シミにも影響を与えるといわれています。
実際に、肌にできたシミを調べてみると、多くのAGEが存在しているそうです。
美意識が高く、アンチエイジングにしっかり取り組んでいる女性は、
いろいろな化粧品を試したり、スキンケア法を考えたりと、
少しでも老化を遅らせようと努力していると思いますが、
毎日の食事で、糖質の摂り方にも注意する必要があります。
暴飲暴食は絶対に避けて、1日3食、栄養バランスのよい食事を規則正しく摂り、
できる範囲内で糖質を控えるように心がけましょう。
糖化を防ぐには、食後の血糖値を急上昇させないことが食事の基本になります。